【全曲レビュー】『THE MILLENNIUM PARADE』がすごかった!!

 

 

こんにちは、pitiです!

 

今回は先日リリースされたばかりのmillenniam paradeの1stアルバム『THE MILLENNUM PARADE』をレビューしていきます。

 

始めにmillennium paredeについて軽く説明しておきましょう。

 

KingGnuのGt/Vo常田大希が指揮を執る音楽集団!

millennium paradeは、ロックバンドKingGnuのメンバーである常田大希さんが、2019年より本格的に活動を始めた新たな音楽プロジェクトです。作曲を務める常田さんを中心に、さまざまなジャンルに精通するミュージシャン仲間、ビジュアル・アートワークを務めるクリエイティブチーム『PERIMETRON』など、多くの人が集まって作られていて、その音楽性はKingGnuのPOPセンスからはかなり離れたものとなっています。

millennium parade - THE MILLENNIUM PARADE (Official teaser) - YouTube

 

 

 

THE MILLENNIUM PARADE』のアルバムとしての素晴らしさ

このアルバムの素晴らしいと思ったポイントは、コンセプトに忠実に創られているところです。私なりに解釈したコンセプトは大きく二つ、一つ目はジャケットにも描かれている”花火”で、インタールードでも頻繁に花火のSEが使われているのが印象的でした。二つ目は”死者への弔い”。これは楽曲タイトルの『BON DANCE』や『Deadbody』、『The Coffin』などから強く感じられました。最後に映画『ヤクザと家族』の主題歌として書かれた『FAMILIA』が収録されているところにもこだわりが感じられます。さらにすごいのは、ビジュアルを限りなく日本に寄せた上で、歌詞や楽曲タイトルではほとんど英語を使うという常田さん独特のこのバランス感覚。その上に成り立つ完璧な世界観にたまらなく惹きつけられます。

 

 

 

楽曲レビュー!

 

1.Hyakki Yagyo~2.Fly With Me

花火とお祭りのようなSEに、”百鬼夜行”というタイトル。ふと頭をよぎったのは、漫画『xxxHOLiC』の百鬼夜行の回でした。たくさんの妖怪や鬼たちがホオズキを片手に行進する、非現実的でなんだか神秘的でもあるあのシーンがとても印象に残っています。…と、うっとりしていたのもつかの間、どんどんスピードが上がるような演出の後『Fly With Me』に突入しました。この瞬間の快感よ!もうライブに来たかのようなテンションで聴きましたねw 無意識に体が動きます。グルーヴが堪りませんね。

 

3.Bon Dance

入りがめちゃめちゃクールです!「YEAH~~!!」がかわいい印象でしたが、とたんにその声がバグるように途切れ途切れになりオールインする流れが最高です。こういうところにミレパらしさを感じます。クールな楽曲にVo./ermhoiさんの声が可愛らしさのスパイスを加えることで、ここでも絶妙なバランスを生み出しています。

 

 

4.Trepanation

ちょっと不気味で美しいこの楽曲、R&Bの中にクラシック要素もみえてとても面白いです。サビのコーラスのエフェクトが好きです。エモい感じもお気に入りです。ボーカルにはFriday Night Plansさんが参加しているようですね。Fridayさんは名前は知っていましたが実は聴いたことがなかったので、これを機に聴き始めました!お気に入りの曲もできたので、また別の機会に紹介したいと思います。話が逸れてしまいましたが、気になったのはこの曲の頭。電動ドリルのような音が入っています。これはなんだ?と調べてみたところ、タイトルの『Trepanation』は”穿頭(穿頭術)”という意味らしく、頭蓋骨に穴を空ける治療法の一種なのだとか。なるほどここにも”生と死”のようなテーマが垣間見えます。電動ドリルの音は穿頭術に用いられる道具を表していたのですね。こだわりを感じます。
【追記】後日、『ホムンクルス』という映画の主題歌だということが発表されました!映画の中でもやはり穿頭術が出てくるみたいですね。2021年4月2日公開、楽しみです!

 

 

5.Deadbody~6.Plankton

インタールードから、シングルカットでは存在しない美しいエンディングの付いた『Plankton』。この流れすごく好きでした。幻想的なこの楽曲が最初と最後に表紙/裏表紙的な音楽が入ることで、アルバムの中に埋もれず空間をもたせてくれる感じがして、めちゃくちゃいい演出だと思いました。2019年のリリースから何度も聴いていますが、やっぱり美しいですね。Aメロのシンセベース、ずっといるチャリチャリ音(どんなふうに収録してるんだろう…)が特に好きです。コード感もとてもきれいです。二小節ごとに転調することによって独特の浮遊感が出ているんだと思います。

 

 

7.lost and found

 この曲はパワーがすごいですね。前の曲が静かに終わった分、より力強さが際立ちます。多くの曲に打ち込みのパーカッション(機械に疎いので正式名称がわからない…)が入っているのがミレパの特徴とも言える部分だと思うのですが、その中でもこの曲のパーカッションは特に好きです。曲の最後に目立つ「ドゥン」という低い音がナイスです。

 

8.matsuri no ato~9.2992

『2992』のオープニング的な『matsuri no ato』。アルバムとしての流れが本当に丁寧に考えられています。『2992』はまずイントロのベースがかっこいい!初めて聴いたときはかなり衝撃でした。Aメロの怪しげな雰囲気とは打って変わって、サビは特別美しく感動しました。楽器の量が多いからか、柔らかいのに厚みのある音楽になっていますね。ライブ映像も見ましたが、ドラムのみならずエレキベースまで2本使われていました。「ひとつのバンドにベースは一人」という固定観念を覆す、柔軟なアイデアに驚かされます。

 

 

10.TOKYO CHAOTIC!!!

これはセンスがいいですね。millinnium paradeの前身、DTMPの曲に混じってKingGnuの楽曲も入っていて、しかもMcDonald Romanceというところが特に良いです。激渋です。

 

 

11.Philip

ここできたかという感じです。ダークな曲をこのタイミングで入れてくるあたり、KingGnuの『Sympa』での『Prayer X』的な役割を感じました。シンセベースやストリングスの感じも『Prayer X』に似たような雰囲気を感じます。この雰囲気、狂気的で力強くてとても好きです。そしてこのラップがすごく良いですね!囁くような声から後半にかけてどんどん感情的になっていく表現力が素晴らしいです。最後に足音のSEが入っているところにぐっときました。あの衝撃的なMVを思い出します。

 

 

12.Fireworks and Flyng Sparks

酩酊状態でふわふわとゆらゆらと歩くような感じのする曲です。こういう雰囲気の曲にこういうエフェクトのボーカルが乗るのも新鮮な感じがしました。ここにきて初めての日本語詞で曲調も日本的なのに、3分過ぎのサックスのフレーズはジャズっぽくておもしろいです。これまた不思議なバランスで成り立っています。

 

 

13.The Coffin

感動ポイントを共有したいのですが、花火が「ピュ~」とあがったら「ドーン!」と低い音が鳴ると思いますよね。小さいころからその音を毎年聞いてきたのですから、もはや潜在意識に刷り込まれているわけです。それがこのインタールードでは「ピュ~」からの「ジャーーン!!」です!その瞬間頭の中の花火の映像が眩しいほどに鮮やかに輝きました。神々しくも感じられるこの表現は本当に素晴らしいと思います。

 

 

14.FAMILIA

映画『ヤクザと家族』のエンドロールで大号泣したのが記憶に新しいです。”この身かけたとて釣り合う訳もない”この歌い出しが切なすぎて、心がぎゅっとなりました。あとはやはり中盤の盛り上がりが素晴らしいですね。”あなたの瞳が輝いてる今が奇跡だ”にかぶってくる”愛を愛を”のコーラスが最高です。何度聴いても泣きそうになります。大サビ前の静かなセクションで、教会を思わせるオルガンだけになるところもとても良いです。讃美歌のような美しさがあり、この上なくエモーショナルでもあるこの楽曲、素晴らしかったです。初めて聴いたときは本当に言葉が出ませんでした。このアルバムの最後にふさわしい、壮大なバラードでした。

 

 

 

最後に

作品に点数をつける主義ではないのですが、これは本当に100点満点のアルバムを出されたなという感じでした。コンセプトから構成から何から何までこだわり抜かれて作り上げられたんだなと、ミレパの熱い想いが伝わってくる作品でした。
これからどんな作品が世に発信されるのかとても楽しみですし、ライブも楽しみです。2019年に一度ミレパのライブに行ったことがあるのですが、楽しすぎて最初と最後しか覚えていませんw あのときいちばん最初の音がバーンと鳴った瞬間に、観客全員の体が動き出しフロアが大きくうねっていたのは鮮明に覚えています。情勢が落ち着いたらまた超満員のライブハウスであの感覚を体感したいです。

今回はここまで。読んでいただきありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

【自己紹介】音楽レビューをします。

 

はじめまして。qiti(きち)です!
音楽紹介、レビューブログをはじめます!

 

 

まずは自己紹介を・・

読みづらいですが、私のことは「きち」と呼んでください。なんだか縁起のよさそうな響きと、私の好きなアルファベットの「q」を当て字にした名前です。
昔から音楽が大好きで、普段は主にジャズピアノの勉強をしていますが、ギターを弾いたり歌ったりするのも好きです。

 

 

好きなジャンルは・・

私にとって音楽鑑賞は生活の一部です。基本的に何でも聴く雑食リスナーなのですが、元々の音楽の入りは邦ロックで、その中でもサイケやガレージサウンドは特に好きな部類です。それからジャズ、エレクトロ、テクノポップR&Bなど、好きだと思ったり興味がわいた音楽は、ジャンルや国を問わずどんどん聴きます。(とは言え偏ってるのかな、、?)今やサブスクで奔放自在に音楽旅ができる時代、ありがたいですね。

 

 

 

このブログに書くこと

最近YouTubeで、海外の方が日本の楽曲をレビューしている動画を見ました。所謂『海外の反応動画』です。あれ、すごい楽しいんですよ。「この音が良い!」とか、「この展開がエモい!」とか、自分が思っていたことと同じことを言われると共感できるし、自分で気付かなかったポイントについて触れていたら、より一層その楽曲に興味がわきます。ということで、そんな感じのブログがやりたいと思ったわけです。
このブログでは、私の好きな楽曲の「ここがいい!」と思うところを紹介したり、はたまた初めて聴く楽曲を、私の基準でレビューしていきたいと思います。読んでくれる方の音楽旅が更に豊かなものになればうれしいです。

 

 

 

今回は少し短いですが、次回からは音楽について書いていきますので、よろしくお願いします。それでは!